就職氷河期を採用しよう!:メリットと注意点を解説

    採用難易度高!昨今の中途採用

    4社に3社が中途採用を行うも52.7%の企業が「採用できなかった」という結果に終わった2022年度(リクルートワークス研究所 中途採用実態調査 2022年度実績、正規社員)。座る椅子の無い椅子取りゲームよろしくその難易度は上がり続けているのだ。

    中途で人材を獲得するのは、かつては新卒採用に対して、スキルを有した経験者を確保すべく行う求人活動だったが、深刻な人材不足難に押されて新卒同様に未経験者を獲得する用途としても行われるようになった。
    背に腹は代えられないのである。

    特にここ3年は、中途で未経験者の採用率が伸び続けており、特に大企業に比べてどうしても採用力の低くなりがちな中小企業においては、未経験者を中途採用することで人材を補っていると言える、が、それでも採用できない困った昨今なのである。

    就職氷河期世代という選択肢

    人材不足を補う一手として活用が期待できる中途採用だが、その対象として就職氷河期世代を考えてみてはいかがだろう。

    就職氷河期世代とは、内閣官房「就職氷河期世代支援プログラム」によると、30代半ばから40代半ばの人材で、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、希望する就職ができず、不本意ながら不安定な仕事に就いている、または無業の状態にあるなど、様々な課題に直面している人材のことをいう。

    雇用が不安定な時代を生き抜いたこの世代は想像以上にたくましく、特に仕事に対して熱心で向上心があり、ITリテラシーも高く、資格の保有率も高いらしい。
    ただでさえ数の少ない新卒未経験者の獲得合戦で疲れるよりも、よっぽど有効な母集団と言えるのではないか?

    採用時はこんなところに注意!

    もちろん弱点もある。

    慎重ゆえ行動力に乏しい(コツコツ…石橋をぶっ壊しちゃったり)、将来に対して悲観的(将来の夢は長生きだったり)、安定志向(まぁこれが弱点とは言えないが)といった傾向を併せ持つ就職氷河期世代の採用は、面接時に“しんみりならない程度に”経歴とブランク期間をうまくヒアリングする必要がある。

    中でも「周囲とうまくコミュニケーションが取れるか」は要確認事項だ。
    年齢と経験が同一ではないので、入社後に上司が年下といったことも発生する。
    社内で調和が取れる人材かどうかは充分に見極めないと、「なんか偉そうな部下」に手こずる羽目になりそうだ。

    また、入社早々燃え尽きてもらっては困る。
    「何が出来るか」よりも「これから何をしたいか」という将来へのビジョンを持っているかも併せて確認したいところだ。

    就職氷河期世代はねらい目の世代?

    今回は人材獲得の一手として就職氷河期世代の可能性を示してみたが、前出のリクルートワークス研究所の調査によると、就職氷河期世代の採用実績がある企業は、そうでない企業に比べて採用の可能性が倍以上になっており、「また採用したい」と考えていることがよく分かる。

    政府も就職氷河期世代への支援をスタートしており、ハローワーク等でも特設コーナーを設けて求人を受け付けている。
    就職氷河期世代で、非正規雇用で働いている人材は約589万人、そのうちいわゆる不本意非正規労働者は約 71万人、失業者のうち正規雇用の仕事を希望する人は約27万人と言われている。
    人材の獲得に苦慮しているのであれば、絶賛売り出し中の就職氷河期世代は“あり”な選択かもしれない。

    writer : 桐原 清武
    厚生労働省認定キャリアコンサルタント。株式会社リクルートでキャリア開発に携わる。専門は人材採用・育成。人事担当者と求職者のカウンセリングは通算10,000回を超える。