パソコンを使えないZ世代が増加!中高年はIT挽回のチャンス到来?

    パソコンを使えないZ世代が増加!中高年はIT挽回のチャンス到来?

    「パソコンを使えない世代といえば中高年」という時代が長く続いてきました。
    反対に「若い世代はパソコンを使える」というイメージを持っている方も多いと思います。
    ところが最近、スマホの普及により、パソコンを使えないZ世代(主に1990年代中盤以降に生まれた世代)の若者たちが増えているそうです。

    「総務省情報通信白書(令和5年版)インターネット利用端末の種類(個人)」のデータを見ると、スマホが71.2%に対して、パソコンは48.5%(いずれも2022年)にとどまっており、この事実を裏付けています。

    (出典)総務省「通信利用動向調査」

    まだパソコンを使いこなせていない中高年の方は、恥ずかしがらず、若い人たちと一緒に学び直してみてはいかがでしょう。
    デジタル・ネイティブのZ世代に追いつき、追い越すヒントをお伝えします。

    「Tech Shame」を感じるZ世代

    数年前、ある大手企業の人事担当から、スマホは使えるがパソコンを使えない新卒が入社してきたという話を聞きました。
    学校のレポートもスマホのフリック入力で書いており、パソコンの使い方を企業で教育する時代になったと嘆いていました。
    キーボードのタッチタイピング(キーを見ないで入力すること、ブラインドタッチともいいます)ができないのはもちろん、マウスを持つ手が机からはみ出してしまう人までいたそうです。

    パソコンだけではありません。
    オフィスには、プリンタやコピー、FAX、これらの機能を1台にまとめた複合機など、紙媒体を扱うオフィス機器があります。
    用紙の入替えや紙詰まりが起こったとき、どう対処すればよいか戸惑ってしまうそうです。

    スマホだけで何でも出来る若い人たちにとって、オフィスは文字どおり「前世紀の遺物」で埋め尽くされた世界です。
    Z世代がオフィス機器を上手く使えないことについて、HP (Hewlett-Packard) 社は2022年、次のように報告しています。

    「Z世代はデジタル・ネイティブであるという、周囲の思い込みと期待の大きさに反して、オフィス機器を上手く使えないことを恥ずかしいと感じている。」
    「それはtechnology(技術)とshame(恥)を組み合わせたtech shame=テック・シェイムという言葉で表される。」

    中高年の皆さん、IT挽回のチャンス到来です!

    Z世代がデジタル・ネイティブであるという優位性は絶対に揺るぎません。
    しかしオフィスの環境、特にパソコンにおいては、中高年世代が若者世代と互角で戦える時代がやってきたと言えます。
    理由は、パソコンとスマホとの最大の違いが、フルキーボードを主な入力手段としていることです。

    フリック入力は入力履歴や候補が表示されるので速いと言われますが、キーボード入力でも同様に履歴や候補を使うことができます。
    フリック入力がどんなに速くて正確でも、キーボードをすべての指でタイピングするスピードにはかないません。
    そもそもオフィス環境には、フリック入力できる機器がほとんど見当たりません。

    中高年の方で、これまで1本指打法、2本指打法でパソコンに文字を入力されてきた方は、隣の若者の同じような姿を想像してみてください。
    彼らもこれからパソコンを練習しなければならない立場です。
    この機会に恥ずかしがらず、一緒に頑張ってみてはどうでしょう。
    そして自分がタッチタイピングをしている姿を想像してみてください。
    少しはITに対する自信が湧いてきませんか。

    タイピング練習でIT基礎体力をつけよう!

    ITスクールで初心者の方にパソコンを教えていると、「タイピングスピード=学習スピード」であることを実感します。
    授業ではパソコンに触れる実習の機会が多くあります。
    生徒さんのなかには、キートップの文字を探して打ち込んでいる人もいます。
    これでは時間内に入力できないことも多く、講師の説明を聞く余裕もありません。
    どうしても授業についていけなくなります。

    タイピングはIT活用の基本です。
    タイピングができないと、脳はキーを探すことに使われ、パソコンを思考の延長として活用することができません。
    ではどうやって練習すればよいでしょうか?

    キーボード入力やタッチタイピングの練習を提供するサイトがあります。
    楽しみながら練習することができるので、いくつか紹介します。

    寿司打
    https://sushida.net/
    出てきた文字をひたすら打ち続けます。
    制限時間は120秒で、問題は35問くらいです。
    e-typing
    https://www.e-typing.ne.jp/
    自分の成長が確認できるタイピングカルテがあります。
    過去の腕試しタイピングのスコア遷移や最高スコア・レベル、過去のデータから算出された苦手キー・苦手指なども確認できます。
    ある程度データが蓄積されたら、自分の弱点を確認・意識して練習してみましょう。
    マナビジョン
    https://manabi.benesse.ne.jp/gakushu/typing/
    タイピングを使った学習、例えば、国語、英語、情報モラルなどの問題を学習しながらタイピング練習ができます。

    他にも様々なサイトがありますので、自分に合うサイトを探してみてください。

    タッチタイピングはオフィスで生きていくための「IT基礎体力」です。
    中高年の皆さんは、オフィスで困っている若い世代を優しく助けてあげながら、一緒に頑張ってみてはいかがでしょう。
    writer : 廣嶋 規
    電気メーカーのソフトウェア技術者・研究者、米国研究所やインド開発拠点の責任者、起業経験などを経て、現在はITコンサルタントやITリテラシー教育に従事。